ブログ

良い音とは何か

毎日音楽をやっていると「良い音」について話す機会が多いです。

話す機会というよりかは、感じる機会が多い、といった方が正確かもしれません。

「あのギター、すごくいい音だなぁ」とか「ベース良い音してるね」だとか「やっぱりヴィンテージのRHODESは良い音だねぇ。ノイズは多いけど」などといったように、私たちは頻繁に「良い音」というフレーズを口にします。

「良い音」と出会えると感心したり、うれしくなってしまうからつい口に出てしまうんですね。

しかしたまに他の人が、「良い音だ」と言っていても、こちらとしてはそうは思えない時もあります。それに関しては個人差がある。

メタルが大好きな人にとっての気持がいい歪みの音と、ファンクが好きな人にとっての気持のいい歪の音はやはり違いますし、テクノが好きな人のバスドラムの好みと、ジャズが好きな人のバスドラムの好みもやはり違います。

そういう違いを考えると、良い音とはいったいなんだろう、と私はふと考えてしまのですが、これまで考えてきた中でぼんやりと思うのは「聞く人が気持ちのいい音」が「良い音」なのだ、ということです。

気持ちがいいから「良い」と感じるわけですから、まあ当たり前かもしれませんが、私が言いたいのは良い音というのは数値などによって絶対化できるものではないということです。聞く人の数だけそれらがある。

音に関しての自分の価値観を押し付けて、自分にとっての良い音以外認めないという人もごくまれにいますが、そういうのは間違っているんじゃないかと私は思います。

どんな音が気持ちいいか、それを明確に定義することはできません。しかし、どういう時にどんな音を気持ちよく感じるかというそれぞれの傾向はあります。

私の場合はというと

  1. 場所は小ささめのライブハウスもしくはライブバー
  2. 壁からなどの音の反響が少ない(適度にデッド)
  3. 音量は耳に痛くない程度
  4. 演奏の内容が良い
  5. お酒を適量飲んでいる

という環境だと「ああ、いい音だなぁ、気持ちいいなぁ」という風に思うことが多いです。

特に会場の大きさは重要な要素で、大きくなればなるほど良い音度は減っていく気がします。これは音響のコントロールが効かなくなってくるからですね。

しかし小さければ良いかというと、ここも難しいところで、あんまり反響がありすぎたりすると音が混ざってしまって判別しづらくなってしまいます。

大事なのは演奏者がイメージする音(演奏する時に実際にその演奏者が鳴らして聞いている音)をなるべくそのまま聞ける環境です。

それを実現するには、やはりだいたいは上記の条件になってくるのではないかと僕は思います。

聞く環境はとても大事で、それによってだいぶ伝わり方が違います。どんなに良い演奏をしても音響が悪いと何も伝わりません。

といっても最高級の防音素材を使い設計された部屋の中で、最高級のスピーカーをつかいましょうというわけではなく、ある程度は気を使うべきなのではないかということです。

ただ、お金をかければいいかといえば、そういうわけでもないところが難しくてなやましいところですね。

特に設備にお金がかけられているわけでもないのに、とても音響環境のいい会場はたくさんあります。そしてそういうところは演奏者にも観客にも人気があって、老舗化していることが多いです。

優れたミュージシャンというのは演奏する技術もさることながら、音に関する感覚も優れています。自分が出す音がどのように観客に聴こえるかというのもかならず気にしています。

そのようなことすべてを頭の中に入れたうえで、弾き方を調整し、ダイナミクスやタイミングを変えていくのです。そうすると観客のみなさんは気持ちよくなって「良い音だ」と認識することが多くなるのではないかと思います。

実際、同じ楽器でも弾く人によって音が面白いくらい違うのです。ある人が弾くととても気持ちよく聞こえるのに違う人が弾くとそうでもないというのはざらにあります。

なので最終的には、音の良しあしというのは弾き方によるところが大きいのではないかと私は思っています。