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メトロノームを使いましょう

メトロノーム、苦手な方も多いかと思います。メトロノームを使うと『練習してる感』がぐんとあがりますよね。まあ実際練習しているわけなんですけども。

それでなんだか苦手意識を持ってしまって、メトロノームを使わないで練習をするという方もたくさんいるようです。

しかしメトロノームって使った方がいいんです。絶対に毎回とはいいませんが、5回練習する機会があったら、そのうち一回の一部分では使うべきなんじゃないかと思います。

なぜメトロノームを使った方がいいか

なぜメトロノームを使ったほうが良いのか?

それは極端に言うならば、リラックスするためだと僕は考えています。

最初のうちはリラックスなんてとてもできたものではないかもしれません。ずっと一定にリズムを刻まれて、窮屈に感じたり、それをプレッシャーに思うこともあるでしょう。

それで緊張して、力が入り、できるものもできなくなってしまう。だれしも一度はそういう経験をされているかと思います。

しかし、それでもがんばってみたらメトロノームをそれほど意識しなくなる瞬間がかならず出てきます。メトロノームの存在があたりまえになって、初めの時よりその音に神経を刺激されなくなります。

そうしたらこちらのものです。メトロノームの音を川のせせらぎか何かだと思って、鼻歌でも歌いながら練習ができるようになります、というのは言い過ぎですが、メトロノームの出すリズムに合わせるのが最初より違和感がなくなってきます。要はずっと一定のリズムをキープしてこちらに教えてくれる親切なミュージシャンなんだと思えばいいのです。

もしだれか自分の音楽上達のために、嫌な顔一つせずにずーっと一つの音、一定の音量とリズムでテンポキープしてくれる人がいたら、なんて良い人なんだろうかと思いませんか? しかもこちらのしてほしい時に、指定するテンポで付き合ってくれるのです。

僕はメトロノームのことをこの世の音楽布教に身をささげる素晴らしい伝道者だと思うようにしています。

そして、そのようにその伝道者を受け入れられるようになれば、特に緊張することなく一緒に練習することができるようになるかと思います。

そこからがメトロノームを使って練習する意味が出てきます。

メトロノームを使うメリット

さて、それではメトロノームを使うことのメリットをいくつか挙げていきたいと思います。

リズム感がよくなる

リズム感がよくなるというのはどういうことなのだろうと考えだすと、そもそもリズムってなんだろう?という風になってしまうかもしれませんが、ここでいう意味としては『自分の中で一貫したテンポを保ちやすくなる』ということにします。

なんでこんな回りくどい言い方をするかというと、

リズム感がいい=テンポキープができる

という風潮があるのですが、僕はそうは思わないからです。

僕が考える「リズム感がいい」とは「気持ちのいいグルーヴが作れる、あるいはグルーヴの上に気持ちよく乗れる」ということなので、先ほど述べた『自分の中で一貫したテンポを保ちやすくなる』ことは、とても重要なことなのです。

メトロノームを使う練習というのは、音符の長さ、拍を意識して把握し、理解することに他ならないので、それはすなわち自分のリズム力を高めることと同義なのです。

テクニックが身につく

もしできないフレーズや抑えられないコードがあったら繰り返し練習しますよね? そうしていくうちに上達していくのですが、メトロノームを使うとさらに効率よく技術を身に着けることができます。

ではどうすればいいかというと、できないフレーズは遅いテンポ、普通のテンポ、早めのテンポ、この三つで練習します。

何回か練習するだけでできてしまうフレーズであるなら、特にする必要はないかもしれませんが、なかなかできないものについてはテンポを少しずつ遅くしていってみるのを強くお勧めします。

そしてテンポを遅くして練習する時のポイントは弾く音符の長さと、8分休符もしくは16分休符などの細かい休符を意識することです。ですから基本的にはメトロノームを4分音符で鳴らしながら、8分音符もしくは16分音符でリズムをとることになります。

そうしつつ、最初は口に出してそのフレーズを歌ってみるといいと思います。自然に歌えるようになったら実際に楽器で弾いてみましょう。そしてできないところがでてきたら、その部分の音符をもう一度確認してみましょう。繰り返していくうちに必ずできるようになると思います。それでも出来なかったらさらにテンポを遅くしましょう。

そのフレーズに慣れてきたら、もちろんテンポを元の速さにだんだんと戻していきます。当初の目的は、元のテンポで弾けることを目的とした練習なので、それができるようになったらそこでおしまいでもいいのですが、もう少し我慢するとさらに上手くなります。次はもとのテンポからさらに早くしていきます。言うまでもないことですが、さらに難しくなりますね。すぐにできなくなると思います。

そうしたらそれをできるようになるためにはどうすればいいか考えましょう。手のフォーム、力の入れ具合、リズムの取り方などそれぞれの要素をもう一度みなおして、試してみましょう。もしかしたらだいぶ早いテンポでもできるようになるかもしれません。

とはいってもやはり限界があるので、ずっとチャレンジ必要はありません。適当なところできりあげましょう(負けず嫌いの人の場合、できるようになるまで意地で続ける場合がありますが、それはあまり効率的ではありません。引き際をとらえましょう)。大事なのは、アドバンスとしてもう一歩踏み込んで考える、ということです。

まわりを聞く能力が備わる

これは明らかにそなわります。言うまでもないことかもしれませんが、メトロノームを使うということはそれを聴くというところから始まりますからね。

何かを集中して聴くというのはとても重要です。たとえば、一つの曲の中でドラム、ベース、ギター、ボーカルという要素があるとします。その曲を聴く時、何も考えずに聴くとボーカルなどの目立つメロディが耳に入ってきます。あとはギターソロとかですね。そのほかの要素、たとえばドラムのハイハット、ベースのゴーストノートなどは、それらを聴こうと集中しないと、はじめのうちは聴こえてきません。

慣れてくればむしろボーカルなどより自然に聴こえてくることもありますが、何か特定の音を聴き取るのはある程度訓練しないとできるようにならないのです。僕も子供のころはベースやドラムのバスドラなど聴こうとしてもなかなか区別できず、総体でしか曲が聞こえてきませんでした。まあそれが一番幸せな音楽の楽しみ方かもしれませんが、実際に音楽を演奏しよう、作ろうとしようとすると必要最低限の分析力と理解が必要になってくるので仕方がありません。

全部の理屈は抜きで感性だけで全部をまかないたいという方は、観念して多少のアナライズは受け入れるようにしましょう。

弱拍、強拍への理解が深まる

メトロノームにはさまざまな機能が付いているものが多いです。僕が持っているものも、さまざまな音符の長さで鳴らせたり、変拍子も設定できたりします。そして音符にアクセントをつける機能もあります。このアクセント機能はたいていのものに付いています。普通に使う場合は、どこが小節の頭なのかを分かりやすくするために使うのですが、ちょっと考え方を変えて、そのアクセントをたとえば二拍目、三拍目にしてみましょう。

そうするとリズムの感じがだいぶ変わらないでしょうか? もしかしたらそれだけで違和感を感じて、それまで弾けていたものができなくなってしまうかもしれません。つまり、リズムのどの場所に重点を置くかはそれだけ音楽に影響を与えるということなのです。

たとえば、ジャズなどの音楽は二拍目と四拍目にアクセントを置きます。そして未経験のかたにそう設定したメトロノームに合わせて何かを弾いてもらっても、できないことがほとんどです。体になじんでいないんですね。この場合はもう体になじむまで、二拍目と四拍目にアクセントを置いた状態で歌ってもらうのみです。

もう一歩進んで考えてみると、休符部分にアクセントをつけるというやりかたもあります。これもお勧めの練習方法です。たとえば、2拍目の裏、4拍目の裏にアクセントをつけるとかですね。そうするとまたおもしろいくらいにノリが変わってきます。ジャズの練習をするときは4分と3連の音符を慣らしつつ、2拍目の3連3個目、4拍目の3連3個目にアクセントをつけて練習することが多いです(それはすなわち、ジャズのリズムにおいてそこが重要ということなのですが、それも話が長くなるので違う機会にお話しします)。

もちろん最初はぜんぜんできないと思います。でもこれはあくまで感じ方の問題なので、くりかえしやれば、必ず体に馴染みます。そういう意味では難しいフレーズの練習よりも効果が早くでやすく、簡易です。やって損はしません。

リズムの色々な捉え方を学ぶと、とても面白いですよ。

メトロノームをつかうことのメリットはまだいくつかあるような気がしますが、だいたいこんなところかと思います。わかっていただけたでしょうか??

ということで皆さんメトロノームを使ってみましょう。