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練習を録音しましょう

生まれて初めて録音というものをしたのは、確か小学生のころだったような気がします。家にあったラジカセ(もはや絶滅しましたが)を使って自分の声を録音しました。確かソニーの小さいやつだったと思います。

おそらく暇だったんでしょうね。ラジカセから流れてくる自分の声は、別人の声じゃないかと思うほど、とても不思議な響きをもって聞こえてきたのをよく覚えています。不思議というよりかはなんとも気持ちの悪い感覚でした。「僕の声はこういう声なんだ」と衝撃的な気持ちになったのを覚えています。

今思うとそのラジカセのスピーカーや録音マイクはおそらくそこまで良いものではなかったと思うので、厳密にはそのラジカセからでている音は実際の自分の声とまた違ったのではないかという気がするのですが、その当時はそこまで気が回らず、純粋にそのラジカセから聴こえてくる声は自分の声にとても近いものだと思っていました。

そして、次に録音したのはギターで遊び始めた中学生の時に、MDウォークマン(これも絶滅しましたが)で友達との曲合わせを録音してみました。それを聞いて、なんて自分たちは下手なんだろうと驚愕したものです(録音すると驚愕しっぱなしですね。どれだけ自分たちがイメージの世界に住んでいるかということかもしれません)。

それ以後もときどき録音しては聴き、を繰り返しました。そして大学になるころには自分で演奏している時に聴いている感じと、それを録音して聴く時のギャップをつかめるようになったというか、ある程度予測ができるようになりました。ようやく録音物をきいても驚かなくなった。

今自分はぴったりと弾いているつもりだけれど、あとで聞いてみたら実際にはすこし早いだろう、みたいに自分の感覚を客観的にとらえられるようになりました。がむしゃらに弾いていた中高の時とは違って、きっと一歩引いて音を聴けるようになったんですね。

それはのちのち、とても役に立ちました。やはり自分の頭の中で鳴っている音と、現実に空気を震わせている音の間には違いがあります。大事なのはその違いを埋めることのできる想像力です。自らに対するイメージの修正です。

その想像力というのは純粋な想像力というよりかは、予測力にちかいもので、訓練すれば身につけることができます。

僕は今でも演奏中にこれを録音したらこんな風に聞こえるだろうなと、考える時があります。そして、たまにライブや練習を録音して、その予測力が衰えないように気をつけています。

これはとても大事なことで、しばらくやらずにいたりするとあからさまに違ってきます。あくまで僕の場合はですけれど。