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作曲の仕方とコツ

生徒さんの中には「作曲をしてみたいけれど、どうしたらいいかまったくわからない」という方がけっこうおられます。

ふむふむ、と話を聞いていくと、そのような方のほとんどは、「作曲方法がわからない」というよりかは「自分の思いつく作曲方法に自信がない」という状態であることが判明します。

しかし難しく考えて及び腰になることはありません。

作曲というのは非常に単純な作業なんです。極端に言ってしまえば、

メロディとその背景で鳴るコードを作る

これだけです。

Aメロ、Bメロ、サビ、落ちサビ、フック、アウトロといった構成上のパーツは、その作ったものに付随してくる結果的な産物・呼び名に過ぎません。

自身がなさそうにしている方に、じゃあここはこう、そこはそうして、最後はこうしましょう、といったようにごく簡単なヒントを提供すると、それだけですぐに一曲の骨子ができあがります。

みなさん、できない・わからないではなくて、ただ単に慣れていなくて自信がないだけなのです。

作曲という作業を必要以上に難しく考えているのですね。

なので今回は、作曲にまだ慣れていない方のために、僕なりの作曲方法と、そのコツについて書いていきたいと思います。

作曲のコツ

1.まず楽器を選ぶ

最初にどの楽器で音を出すかを決めます。これは実際に持っている楽器という意味ではなく、DTMも含めて今自分が音を出すことのできる楽器ということです。

たとえば僕の場合はギターを持っていますから、それが選択肢として一つあります。あとは何も持っていないも同然なので、DTMソフトでの音になります。今僕が持っている音源だと、ドラム、ベース、バイオリン、シンセ、民族楽器、ブラス系、琴、ピアノ、、、、etc。

要はなんでもありなわけです。ありすぎるくらいですね。

選ぶのが大変ですが、とりあえず、適当に何かを選んで、音を出してみます。どんな音か確かめたら、その次。

これも適当です。画面に出ているリストの中の次のものでいいと思います。

それを繰り返していき、そして何かピンと来たものがあったら、初めてそこで留まってまたしばらく音を出してみます。それであまりいい気がしなかったらすぐに次に。

そんな風にサクサクと様子を見ていきます。

そんなのではいつまでも決まらないんじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが大抵は割とすぐに「この音いいな」という風になって、そこから発展していくものなので、めんどくさがらずにやりましょう。

しかしやはりなかなかどれも良いと思う音が出てこない日もあります。

僕の場合その日はあきらめます。これだけいろんな音を出してみてピンとこないということは、きっと今日はあまり曲を作りたいという気持ちがないんだろうな、と。

気持ちを切り替えて、ギターの練習なり他のことをします。

2.選んだ楽器で、遊んでみる

さて、もし何か心惹かれるものがでてきたら、その音でしばらく遊びましょう。和音が出るものだったら、でたらめに鍵盤を押して見るも良し、適当にリズムをつけていろんなところを押して見ても良し。なんでもありです。

そしてそのうち、あるコードもしくはメロディに近いもの、あるいはビートなどで気にいったものがでてくると思います。もし気にいったものが出てこなければ、またしばらくいじって、それでもまだ何も感じなければ、楽器を変えましょう。固執することはありません。

でてきたら、そこから発展させるのです。

気にいったコードあるいはメロディあるいはリズムのことをモチーフと呼ぶことにします。

3.そのモチーフを繰り返す

とりあえずモチーフを何回も繰り返してみましょう。先ほど遊んでいた時より、いくぶん注意深く。

そして変えた方が、もっと気にいるなと思ったところがあったらどんどん変えていきましょう。

そのモチーフが納得できるものになるまで、追い込みます。もしかしたら、自然とその前後に何かを付け足したくなるかもしれませんし、とりあえずは一つのパーツとしてしか完成しないかもしれませんが、「これはもう十分だな」と思えるくらいまで、そのモチーフと付き合います。

ここまできたら曲の素ができるまであと一歩、がんばりましょう。

4.モチーフに何を足せるか

一つのモチーフができたら、いったんクールダウンして聞いてみましょう。 そしてそれに何か足すものがあるか考えます。これも自然と心に浮かんできたものの方がよいです。

たとえば「ドラムを足したい」だとか「ピアノを足したい」だとか「バイオリンを足したい」だとかでもいいですし、もっと漠然としたものでもよいです。「高い音が欲しい」「低い音が欲しい」「もやっとした音が欲しい」など感覚で大丈夫です。

こうしたいという欲求が少しでも出てきましたか?

そうしたらその次はどうしたらそれを形にできるか、と考えていきます。 もし「ベースが欲しい」という具体的なイメージがある場合は話が早いですね。ベースの音を選んで、そこから先ほど作ったモチーフに合うもう一つのモチーフを作るだけです。

しかし「ふんわりした音が欲しい」といったような漠然としたイメージ・欲求しか出てこないときもあります。

DTM作曲で大変なのはその時くらいです。最初はイメージ通りの音をなかなか探すことができずに、間に合わせの音を使うことになる場合が多いですが、これはもう経験ですね。

イメージ通りの音を探すには、どれだけソフト内の音を把握しているかによるところが多いですから。なるべく根気よく音をさがしましょう。

そうしているうちに少しづつ、今自分はどのような音(武器)を持っているかがわかってくるはずです。

でももちろん、探すのが辛くなってきたら耐えすぎるのもよくありません。

いったん頭を冷やして、もう一度最初にできたモチーフについて考えるもよし、思い切ってそのモチーフも置いてしまってもよし、心の向くままにしましょう。

5.モチーフをどんどん足していく

欲しい音を見つけたら再び、その音で遊んでみましょう。そしてどんな音、リズムにすれば最初にあるモチーフとうまくマッチするかどんどん試してみましょう。一つ目の時と同じように何かいいのが思い浮かんだらそれをどんどん改変していきましょう。

納得のいくものができたら、それらを聞いてNo.4と同じことを繰り返していきます。

もう足すものがない、となったら「パート」の完成です。

6.パートを付け足していく

パートができたら、モチーフを足していった時と同じように前後にどのようなパートがあればよさそうか、よく考えます。

あとはモチーフの時と同じように他のパートを作っていくだけです。

これらの作業がひと段落したとき、あなたはもう曲の骨子を作り終えています。絵画で言うところのデッサンや下書きというところですね。それからはその骨子を基に全体をブラッシュアップする作業(色付け)になっていきます。

たとえば各音色の音量や、パン(定位)の位置、質感、音色自体の再確認などです。そういった作業を全体を聞きながらバランスをとりつつ調整していきます。

(そのあたりの作業はまたすこし違う話になってくるので、またの機会に)

ここまで読んでみていかがでしょうか?

結局いろいろと書いてしまいましたが、つまりは肩の力を抜きながら、その場その場で出てきたものを掴んでいけばいいのです。

もしあなたが「壮大な曲を書きたい」といったような大柄な希望がある場合は、おそらくイメージと違うものができると思いますが、最初のうちはやはり自分のレベルを超えたものはできません。地道に行くしかないんですね。

しかし他の事柄と同様、作曲も数をこなしていけばいくだけ、あなたの技術が上がり、表現したいことの自由度が上がります。 難しく考えるようなことはせず、その時にでてきた「音」に流されるように全体をつくっていけばいいのだと思います。